EP1  天空

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和佐  「平気、こうしていれば・・」 正明  「そうだ、メリー・クリスマス!」     黒い箱を開け、取り出したカモメのブレスを和佐の白い    腕に。 和佐  「ありがとう・・」 正明  「飛べる鳥・・だけど」 和佐  「・・・」 正明  「あっライチョウ!、どっちかって言うとペンギンの方     だったね」 和佐  「鳥好きなの?」 正明  「うん、あの・・俺たち付き合ってるのかな?」 和佐  「どうして?実感ない?」 正明  「交際して下さい・・結婚を前提に」     正座して、向かい合い。 和佐  「・・・交際は良いけど・・結婚はまだ・・」     正座して、向かい合う。 正明  「やった!・・・結婚は早すぎだったね」 和佐  「でも約束して・・」 正明  「何?」 和佐  「プレゼント・・・してくれるなら、二人で選ぼう」 正明  「そっか、センス無かった?俺」 和佐  「ゴメンね、わがままで・・」 正明  「・・・」 和佐  「・・暖かくなったね」 正明  「うん、ペレットストーブ!間伐材が原料だから」 和佐  「・・・」 正明  「温暖化を否定する意見もあるけど・・」     和佐が指を、正明の口に押し当てて 和佐  「野生・・してみる?」 〇 マンション 文夏の部屋 日替わり     テーブルに小さなクリスマスツリー、開封されたリボン    の箱、グラス、ワインボトル。     ベッドのグレーのキルトに文夏と和佐。 文夏  「居酒屋のバイトは?」 和佐  「あれは、たまに手伝ってるだけ」 文夏  「学生?大学?」 和佐  「うん・・まあ・・」 文夏  「将来は・・どうする?」 和佐  「・・・」 文夏  「俺は、実家に帰って、親父の後を継ぐつもりだった     けど・・」 和佐  「けど・・」 文夏  「和佐次第で変えても良いかなって」 和佐  「私に合わせる?」     まつげを閉じる。 文夏  「うん、和佐が都会に住んでいたいなら、俺もここに     いる」 和佐  「こっちで就職して?」 文夏  「院に行くとか、留年するとか、上手く言ってさ」 和佐  「ダメだよ、親と約束してるんでしょ、帰るって」 文夏  「じゃ、ついてきなよ、関西だけど・・新幹線も繋がて     るし、飛行機もあるし・・良いだろ?」 和佐  「プロポーズのつもり?」 文夏  「そんなに固く考えずに、遊びに行く感覚で」
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