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〇 山小屋 夕方 数ヶ月後 夏
夕焼けの高山、微小の水滴まとわりついたり消えたり
交互に。
山小屋で働く和佐(22)と数名の従業員達、
川口(男28)、すみえ(26)、遠藤(男65)。
フロントに和佐、男性登山者が入ってくる。
和佐 「はい、イケメンアルピさん一名様!、おかえりな
さい!」
男客 「テントを・・」
和佐 「了解!・・後でこっそり行っちゃいますね、へへ」
客 「えぇ・・」
和佐 「なんてね!それでは・・・」
続いて、女性登山者達が入ってくると、飛んでくる川口。
川口 「はぁい~ビューティー山ギャル!3名様!、
ようこそ!」
女客A 「(苦笑い)ヤダ~」
女客B 「山ガールですよ」
テーブルを拭きながらすみえ。
すみえ 「山ザァール(小声)・・」
XXX
男性が入ってくると、売店奥から遠藤が顔を出し。
遠藤 「続いて、イケメンガイド塩島君も、到着です!」
テーブルにふきんを放り投げ。
すみえ 「あぁ、塩島くんおかえりなさい(笑顔)」
〇 山小屋 テラス席 その後
塩島 「バカップルのガイドは、本当に疲れる・・」
和佐 「え、でもそのバカップルは?」
ポツンポツンと塗装の白けたテラス、塩島にコーヒーを
出す和佐。
塩島 「なんか、喧嘩してて・・彼女が泣いちゃって・・」
男性の声「・・(泣き声)だって」
テラスの下、霧が流れると、カップルが居る。
女性 「疲れた~、早く小屋行こうよ~」
男性 「歩けないよ」
女性 「あのね、もう着いてるんだよ」
テラスから下を覗いて。
塩島 「あんな風に、今までずっと・・」
和佐 「早く入ってこいよぉ~ね」
と、塩島を見ると、すでに居ない。
塩島 「行きますよ、お二人さん」
と、テラスの下の二人の前で。
女性 「ガイドさん~・・おんぶ~」
塩島 「えぇ~(渋い顔)」
男性 「次!俺ね!」
塩島 「ふざけんな、ガイド料に入ってない」
テラスの上から手を振り叫ぶ和佐。
和佐 「塩島さん!、がんばって!」
〇 山小屋 食堂 その後
食器を片付けるすみえと礼子(54)、そばの席では配膳
する和佐。
さっきのカップルが手を繋ぎやってくる。
女性 「ゆっくん、どっち座る?」
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