EP2  地底

2/7
前へ
/40ページ
次へ
〇 山小屋 夕方 数ヶ月後 夏     夕焼けの高山、微小の水滴まとわりついたり消えたり    交互に。     山小屋で働く和佐(22)と数名の従業員達、    川口(男28)、すみえ(26)、遠藤(男65)。     フロントに和佐、男性登山者が入ってくる。 和佐  「はい、イケメンアルピさん一名様!、おかえりな     さい!」 男客  「テントを・・」 和佐  「了解!・・後でこっそり行っちゃいますね、へへ」 客   「えぇ・・」 和佐  「なんてね!それでは・・・」     続いて、女性登山者達が入ってくると、飛んでくる川口。 川口  「はぁい~ビューティー山ギャル!3名様!、     ようこそ!」 女客A 「(苦笑い)ヤダ~」 女客B 「山ガールですよ」     テーブルを拭きながらすみえ。 すみえ 「山ザァール(小声)・・」      XXX     男性が入ってくると、売店奥から遠藤が顔を出し。 遠藤  「続いて、イケメンガイド塩島君も、到着です!」     テーブルにふきんを放り投げ。 すみえ 「あぁ、塩島くんおかえりなさい(笑顔)」 〇 山小屋 テラス席 その後 塩島  「バカップルのガイドは、本当に疲れる・・」 和佐  「え、でもそのバカップルは?」     ポツンポツンと塗装の白けたテラス、塩島にコーヒーを    出す和佐。 塩島  「なんか、喧嘩してて・・彼女が泣いちゃって・・」 男性の声「・・(泣き声)だって」     テラスの下、霧が流れると、カップルが居る。 女性  「疲れた~、早く小屋行こうよ~」 男性  「歩けないよ」 女性  「あのね、もう着いてるんだよ」     テラスから下を覗いて。 塩島  「あんな風に、今までずっと・・」 和佐  「早く入ってこいよぉ~ね」     と、塩島を見ると、すでに居ない。 塩島  「行きますよ、お二人さん」     と、テラスの下の二人の前で。 女性  「ガイドさん~・・おんぶ~」 塩島  「えぇ~(渋い顔)」 男性  「次!俺ね!」 塩島  「ふざけんな、ガイド料に入ってない」     テラスの上から手を振り叫ぶ和佐。 和佐  「塩島さん!、がんばって!」 〇 山小屋 食堂 その後     食器を片付けるすみえと礼子(54)、そばの席では配膳    する和佐。     さっきのカップルが手を繋ぎやってくる。 女性  「ゆっくん、どっち座る?」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加