クリスマスケーキ

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  酔っ払ってふてくされる聖に 「それに、もう26日でクリスマスの夜は終わりましたよ…」 「ケッ!リア充どもは、これからが字の違う聖夜なのよ!」 目の座った顔で何気に下ネタを吐く聖 そんな時に日本酒、殺戮鬼を持ってくる先程の女性店員 「失礼致します。お待たせ致しました、殺戮鬼です!」 と、グラスが入っている升を皿の上に乗せた状態で聖の前に置き、茶色い一升瓶から殺戮鬼が並々と注がれる それを見ながらニヘラっと美しい顔を歪ませる聖 殺戮鬼を注ぎ終わると女性店員は 「それでは失礼致します」 とその場から離れようとすると、翔吾はメニューを出し 「これ、2つ下さい」 「はい、ショートケーキお2つですね、かしこまりました!」 と言ってその場を離れていく すると、聖は美味しそうに注がれた殺戮鬼を飲み 「あの子も可哀想にね、字の違う聖夜を過ごさせてもらえないんだから、流石ブラック王民!」 そう言って楽しそうに殺戮鬼を飲み 「つか、何ケーキなんか頼んでんのさ!クリスマスは終わったんでしょ」 と言うと、翔吾はニコリと笑い 「クリスマスは終わりましたけど、今日は先輩の誕生日じゃないですか!」 そう、12月26日は聖瀬奈の誕生日 一緒にクリスマスや誕生日を祝ってくれる彼氏がいない聖には憂鬱な2日間だ そりゃ、酒も飲みたくなるもんだ そんな聖に笑顔でとどめを刺すかのような事を言う翔吾 「26歳!おめでとうございます!!」 「グッ…!」 升を置き、俯く聖 「何故、歳をいうかね…アンタは…」 と先程の若い女性店員がケーキを持ってくる 「お待たせ致しましたぁ!」 ケーキを2人の前に置いていると聖は女性店員に質問する 「ところでお姉さん歳は?」 「え?あ、19です!こう見えても大学生なんですよ!」 と若々しい笑顔で答える女性店員、それに対し穏やかな笑みを浮かべ 「そう、頑張っているのね…ありがとう、もういいわ」
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