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学食で食券を買いながら、タケは話を続けた。
「まぁまるっきり信じてるわけじゃないけどね?けど、怖いもの見たさ?みたいな?飲むついでに行かね?」
「行かね。興味ねぇ。」
「えぇ~!!」
今一番欲しいもの…ねぇ。
タケのそれを知りたいと思いつつも、俺はその『はっぴゃくや』に一緒に行くのを断った。
とゆうか、一緒に飲むのを断った。
食堂のおばちゃんからカレーを受け取りテーブルに座ると、諦めの悪いタケの『一緒に行こうよ』攻撃が始まった。
でも俺は行かない。タケ以外に誰か一人でも行くなら行くが、今日は差しで飲みみたいだし、行かない。いつまでも行く気の無い俺に無視され始め、タケはようやく諦めたようだ。
うどん大盛りとお握りを寂しそうに食べるタケに悪いと思いつつ、でもお前が悪いんだと気持ちを切り替えて、俺はカレーを口に運んだ。
俺はゲイで。
春の飲み会で仲良くなったタケに、俺は酒の勢いのままカミングアウトしてしまった。何故してしまったのか分からない。酒入ってたし、普段は絶対そんなことしないのに。
高校生の頃、一度だけ友達にしたことがある。口では気にしないと言った友達。だけど噛み合わない表情は明らかで、そいつは回りに言いふらすことはなかったけど、段々と変わっていく態度に俺は深く傷ついた。
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