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「リモーネ!何があった!?」
やっとイザベラの部屋を探しあてた執事は部屋に飛び込むなり目を見張った。
「これはっ…」
「女を返してやる──」
「……!」
突き返されたリモーネの変わり果てた姿に執事は目を疑った。
「ヴァ、…ヴァンパイアかっ!?──」
男は執事の問いにふっと笑って返した。
笑みを浮かべながらゆっくりと歩み寄る。
「なっ…よせっ!寄るなっ…」
「お前に用はない──だがそれにはある」
「──…!」
男は指先を操り執事の上着のポケットから一枚の書類を引き抜いた。
「この持ち主と正規の契約を交わした──」
「……っ!?…」
「この邸、この領地すべての所有権は俺の物となる──」
「なっ…」
鋭い瞳が執事を見据える…
「下等な人間と言えど──…我の領地を侵す者は許さん…」
「ぐあっ…っ…く、るし…」
「苦しい?…そうだろう──」
「ひっ…、…助けっ…」
「あの主も苦しかったはずだ──」
男の鋭い爪が執事の喉を鷲掴み五本の指が食い込んでいく──
苦し気にゴブッと口から吹き出す。執事の口からは大量の血が溢れていた。
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