プロローグ

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プロローグ

 見渡す限りの草原。  西から吹く暖かい風に、草花たちがそよそよと揺れる。 「アレス、ホントにこっちで合ってるの?」  金髪ブロンドのスタイル抜群な女が、訝しげな視線で男を見やった。 「この地図だと、確かにこっちで合ってるんだけどなあ……」  アレスと呼ばれた男は、ちょっと自信無さげな口調で言った。  手には簡単に書かれた地図が1枚。辺りの景色と地図を交互に見ながら、首を傾げている。 「ちょっと貸してください」  アレスより頭ひとつ背の高い男が、横から地図を取り上げた。 「あ! 何するんだ、セオ!」  アレスは抗議の声を上げたが、セオは一瞥しただけで無言のまま地図に目を落とす。 (ちぇっ、なんだよ。)  アレスは心の中で舌打ちし口を尖らせた。
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