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その後、仲間に引き入れる為にリディアに交渉したのだが、「私は一人が好きなの」と断られた。
しかし、何度も頭を下げ、根負けしたリディアをなんとか仲間にすることができたのだ。
かくして三人の仲間を入れたアレスだったが、どのメンバーも個性が強い面々。
初顔合わせの時、危惧していた問題が起きた。
リディアの姿を見たドーハンが、さっそく手を出し始めたのだ。
「ほっほっほ、こりゃあ別嬪さんじゃなあ~。出るとこも出とるし、お尻もプリっプリじゃあ」
上から下まで、舐めるように物色する。
リディアは眉を上げると、
「ちょっとアレス。何なのよ、このジジイ」
と、ドーハンを静かに睨み付ける。
「魔法使いのドーハンだよ」
アレスは小さな声でぼそぼそと言った。
「私が聞いてるのはそういうことじゃなくて、なんでこんなエロジジイを仲間にしたのか聞いてるのよ!」
リディアが凄い剣幕でアレスに詰め寄る。
「そ、それは……。さ、最初に声をかけてくれたのが、ドーハンだったんだ」
アレスは、後退りしながらもなんとか答えた。
「ホントにそれだけ?」
さらに詰め寄るリディア。
だが、「キャー!」と悲鳴を上げると後ろを振り返った。
いつの間に後ろに立っていたのか、ドーハンがニヤリと笑った。
「ほう、良い尻をしとるの~。安産型じゃ」
――ゴゴゴゴゴ……。
確かに、そんな音がしたような気がした。
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