1・パーティーメンバーは問題あり?

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 そんなこんなでパーティーを組むことになったのだが、当初に比べればまとまってきたと思う。 「アレス、行ったわよ!」  リディアの声にハッと我に帰る。 「あ、ああ」  アレスは剣を構え直した。  マットラットが、アレスに向かって突進してくる。 「ぐっ!」  アレスはなんとか剣で受け止めた。  そこへ、横から回り込んだセオが槍を突き上げる。 「やあっ!」    セオの攻撃で宙に浮いたマットラットを、今度はアレスの剣が凪ぎ払った。 「たあーーっ!」  岩に叩きつけられたマットラットは、そのまま地面にズルズル落ちるとやがて消えていった。 (あと一匹!)  アレスは視線を戻した。  しかし、最後の一匹が「ギッギッギ……」と鳴き始める。 「まずいですね。仲間を呼ぶつもりです」 「えっ?」  アレスはセオを見た。  魔物の中には、時々仲間を呼ぶものがいる。早く倒さなければ、また増えてしまうだろう。 「ほっほっほ。そーれ、丸焼きじゃあ~!」  ドーハンが杖を振りかざす。 「ファイヤー!」  かけ声と共に火の力が解放され、マットラットが炎に包まれる。 「ギィー!」  黒焦げになったマットラットは、そのまま地面に倒れた。  ドーハンがマットラットに近付くと、やがて煙となって消えてしまう。 「なんじゃ、やっぱり消えてしまうか」  ドーハンは、ちょっと残念そうに言った。 「さて、依頼の物も見つけましたし、森を出ましょう」 「そうだな」  アレスは剣を鞘に納めた。 「ふうん、ちょっとは剣の腕も上がったみたいね」  リディアがアレスを見て言う。 「えっ? そうかな?」 「まあ、セオのアシストもあったからだけど、今のは良かったんじゃない?」  そう言って、フッと笑みを浮かべる。 (やった! 初めて褒めてもらった!)  アレスは、嬉しくてたまらなくなって顔をほころばせた。が、すぐに凍り付く。  リディアの傍らに立っていたドーハンが、リディアのお尻を撫で回していたのだ。 「リディアちゃん。ワシも誉めとくれ」  リディアの顔がみるみる険しくなり、ブルブルと震えだす。 「この、エロジジイ!」 「ああ、そんな怒らんでくれ~!」  リディアが剣を振り回し、ドーハンは剣をかわしながら逃げ惑う。 「はあ……」  アレスは大きな溜め息をついた。 (やっぱり、人選まちがえたのかな……)
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