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1・パーティーメンバーは問題あり?
正しい道に戻ってから数時間。もとい、ルコダの街を出発してから約2日後、ようやくアレスたちはメリルの森に辿り着いた。
この森に来た理由は、街の薬屋からの依頼で「カネツラの葉」を10枚採ってきて欲しいというものだった。
『勇者』などという肩書きを持っているとは言っても、世界を揺るがすような危機がいつの時代にも起こるはずはない。
結局は、酒場などに貼られた仕事の依頼を受け、報酬を貰うという地味なものに成り下がっている。
(でも、いつかは邪悪なドラコンを倒したり、闇の魔王と戦ったりするんだ!)
アレスは頭の中で妄想を膨らませる。
「アレス、行くわよ」
リディアがアレスを促す。
「この先は魔物が出ます。気を引き締めてください」
「分かってるよ。ちょっと考え事してただけだろ」
セオの言い方にちょっとムッとしながら、腰にさげた剣に手をかける。
「ほっほっほ、何を考えてたんじゃ? リディアちゃんのパンティーの色か?」
ドーハンがニヤニヤ笑いながら話しかけてくる。
(アンタと一緒にするなよ……)
アレスはうんざりした顔でドーハンを見た。
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