1・パーティーメンバーは問題あり?

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 思えば、出会った頃からそうだった。  アレスが初めてセオに会ったのは、ルコダの街にある中央広場。その噴水の前で、セオは自分が仕える神「天界神ファーネス」の教えを民衆に説いていた。  セオの説得力のある話し方と、その整った顔立ちのおかげで、多くの人々が耳を傾けていたのだった。  だがそんな時、ガラの悪そうな男達が数人、集まっていた人々の中に割って入ってきた。  手にした武器をちらつかせ、困惑顔の人達にガンを飛ばしながら噴水前までやってくる。 「おいおい、何やってるんだあ~?」 「こんな所に固まってちゃ、自由に歩けねーだろ」 「おい、兄ちゃん。ボスの通行の邪魔してくれたのはアンタの責任だよな。どう落とし前つけてくれるんだ?」  一人の男がセオに近付き、手にしたナイフを顔に近付けてきた。  しかし、セオは眉ひとつ動かさない。 「邪魔だというなら、別の場所を通ればいいでしょう。何の罪もない人々を脅すなど、神の怒りを買うことになりますよ」  落ち着いた口調でそう言うと、切れ長のグレーの瞳で相手を見据えた。 「なに~!? 貴様、自分が置かれてる立場を分かってねえようだな!」  セオの態度に逆上したのか、男は持っていたナイフで切りつけてきた。  人々の間で「キャー!」と悲鳴が上がる。  セオは咄嗟に避けたものの、刃先が頬をかすり少しばかり血が滲んだ。  アレスはその時、噴水よりは離れた所にいた。  何の騒ぎだろうとそちらに目を向けると、急に見知らぬ女に腕を掴まれた。 「あなた剣士なんでしょ? あの神官の人を助けてあげて!」 「はあっ!? なんで俺が?」  突然のことに戸惑ったアレスだったが、女に腕を捕まれたまま噴水の所へと連れてこられてしまった。 「なんだあ? お前は?」  ボスらしき男がずんずんと近付き、アレスを睨み付ける。屈強そうな体つきに、頬には刀傷……。 「や……、な、何でもないです」  男の迫力に逃げ出そうとすると、女がぐいっとアレスを引き戻した。 「この人が、アンタ達なんかやっつけてくれるんだから!」 (な、なんでだよ~!)  アレスは逃げ出したくてたまらかったが、女にガッチリ腕を捕まれていてどうしようもできない。 「ほう? それなら、気がすむまで相手してやる……よ!」 「!……」
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