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2-B教室
「み、皆さん、突然ですが、転校生を紹介します」
教員は落ち着き無く、まだ教室の外で待つ転校生の方を見ながら言った。
期待と不安で、クラス中がさざめき立った。
「皆様お静かに」
そう言いながら入室したのは、包帯だらけの身体をした背の低い少女、頭の包帯は右目を隠していた。
「私の名前は美樹本マリアと言います。TWCと言う日本の秘密組織の者です。この上等学園高等学校に転校してきた事も目的も極秘事項になり詳しい事は一切お伝え出来ません、私達の事は他言なさらぬように願います。そして特に、これからご紹介する、女性には、一切の関心、興味、好奇心を、持たないようにしてもらいます。つまり、完全に無視して下さい、さもなければ…」
クラスの喧騒が大きくなる。
余りにも突拍子も無い設定に面白茶化す者もいた。
「マリア、下がって下さい」
意志のある透き通ったその声に、マリアはビクッとした後、おずおずと場を空けた。頬に冷や汗を垂らして。
「ど、どうぞ」
しなやかな黒髪を靡かせて、少女は教室に入ってきた。
姿勢良く、教壇の真ん中に立ち、生徒の方を見やるその表情からは、怒っているのか悲しいのか誰も読み取れはしなかった。
すっと息を吸い込むと、毅然として言った。
「綾瀬 愛理と申します。
誰も、私に関わらないように。
私に関わると、不幸になります」
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