第1章

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「好きだ、愛している」 「えーっ」 「えーっ」 「え!?」 すると。 バキバギバギーンと教室の窓ガラスが一斉に割れた。 突然の暴風にクラスメートが叫ぶ。 外はいつの間にか暗雲が立ち込み、雹や霰が降っていた。 深也は愛理を片腕に抱きしめた。 「あ…」 深也の心音を感じて、頬を染める。 深也は窓ガラスの破片を頬に受け、ほんの少し血を流したが、外を黙って見ていた。 「ひ、引き剥がせーっ」 マリアの怒号に、外に待機していた、黒スーツと黒メガネの自立型二足歩行アンドロイドが教室に入ってきた。 服こそ着ていたが、明らかにそれと分かる大きさと動きと音に、パニックに陥った生徒の多くが泣き叫んだ。 「何だ」 アンドロイドは無言で、深也の両肩を掴み持ち上げた。 「おい、待てよ、服がっ、や、破けちゃうだろ」 平然と、じたばた動く深也を愛理から引き離した。 すると、暗雲が割れ、青空と光が差し込んだ。 次第に晴れ間が多くなり、あっという間に外は穏やかな空が戻った。 「け、怪我人はいないか、怪我したヤツはすぐ医務室へ連れて行け」 今のは何だったのだろう。生徒達に不安と懐疑が広がった。 アンドロイドに押さえ込まれている深也にマリアが近づいて行く。 「お、おい、は、離せよ…」 「今のは、発達した積乱雲が起こす局地的な突風、つまり竜巻だろう」 マリアは深也を見下ろして、続けた。 「…これで分かったと思うが」
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