出会い編

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私たちがそう話していると、夢桜ちゃんはきょとんとした顔をしていた。 「二人とも学校好きなんですね。私は小学校は途中から不登校だったし、中学も別に好きではありませんでした。そして、私にとって辛いことは高校生活が始まることなんですよ。嬉しかったことは、やっと中学校から解放されたことです。」 そう言って、夢桜ちゃんは溜め息をついた。私には、何故夢桜ちゃんがそこまで学校を嫌うのかが分からなかった。だけど、皆が学校を好きということはないから仕方のないことなのかもしれない。それでも少し寂しいことだと思った。 「じゃあ、私と亜美が夢桜ちゃんに学校が楽しかったって、卒業する時に言わせてみせるよ。絶対だからね。」 「そうだね。江口さんもそれでいいよね。えーっと、さん付けだとよそよそしいから夢桜ちゃんって読んでいいかな?」 そう言うと、夢桜ちゃんはくすっと笑って、良いですよ、と答えた。 「まず、夢桜ちゃんは敬語明日から禁止ね。私たち、友達なんだから。」 真輝ちゃんがそう言った時に、夢桜ちゃんは驚いた顔をしたあと、嬉しそうにしていた。私は意外と素直な子かもしれないと思いながら、微笑ましく見ていた。
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