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灼熱の太陽と漂う入道雲が大地を見下ろしている。強い風が吹き抜け、灰色のマントのフードがはらりと脱げた。
崖の上から、遥か下前方に広がる街の様子を眺める。さらにその向こうには、高く分厚い石の壁が東西に広がっていた。
「あれが国境か……」
旅仲間の女性── シルウィが呟く。
「うん。……国境と、国境の街、ヤーヤイル」
立ちはだかる国境の壁を見つめた。あの向こうのさらに遠く彼方に、紅の髪の親友がいる──。
馬を翻し、崖の下へと続くなだらかな坂へと歩を進めさせる。シルウィはしばらく間を置いてから後についてきた。
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