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「まだ、コトハの体は変化の途中なんだよ。なのに、何故か途中で目覚めてしまった。通常は、一度眠りに就くと変化が終わるまで、眠りからは覚めないものなんだ」 ーー終わった訳ではないの? 「終わってはいないね。今の君は、微かに妖気を身に纏った・・・それでも普通の猫だよ。決して妖ではない」 ーー妖ではない。・・・じゃあ、変化が終わったら猫じゃなくなるの?狐になるの? コトハは自分が狐になった姿を想像したが、そもそも生きている狐に遭遇したことがない。稲荷神社にある石像を思い浮かべ、ブルブルと頭を振った。 「いや、本質は変わらない。コトハは猫のまま妖になるんだよ。・・・本来ならば、血が少し入っただけでは妖になることはない。多少の影響があるにしてもね。でも、コトハの体が余りにも小さ過ぎたことと、思った以上に私とコトハの相性が良かった為に、コトハの妖化が始まってしまったんだ」 ーーじゃあ・・・猫又になるの? キョトンと首を傾げれば、浅葱が頷いた。 「そうなるね。ただ、コトハの体に入っているのは妖狐の血だ。その血がどれだけコトハに影響を及ぼすかまでは、妖になってみないと分からない。ーーコトハ、私を恨むかい?」 浅葱のコトハを見つめる目が揺らいだ。コトハは言葉の真意が分からず首を傾げる。 そういえば、さっきも、似たようなことを言っていた。
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