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ーー命を救って貰ったのに、恨んだりはしないよ? 「私は、コトハに自らの血を与え、妖にしてしまった。コトハの意思を無視して、輪廻の輪から外してしまったのだよ。恨まれて当然だ」 ーー私は・・・難しいことは分からないけど・・・でも、それでもやっぱり、浅葱を恨んだりはしないよ?むしろ、浅葱や十六夜に会えて嬉しい。 「そうか。・・・そう言って貰えると嬉しいよ」 そう言ってホッとしたように笑う浅葱に、コトハはドキリと胸を震わせた。暖かくてむず痒い何かに囚われそうになるのを寸前で凌いだ。 「それで、話を少しだけ戻すけれどーーコトハは寒くはないかい?」 唐突に問われた。その言葉は、この部屋に最初に訪れた時と同じものだった。 さっきの質問に答えてくれるのかな?首を傾げながらも頷いた。 ーーうん。大丈夫だよ 「その理由をさっき聞いてたよね?」 ーーうん。 「それはね、ほんの少しコトハの体に妖狐の血が馴染んだ所為だよ。これから、コトハはまた眠りに就くことになる。目覚めは1週間かもしれない。1年か、10年か、100年先か・・・その年数は誰にも分からない」 ーー浅葱にも? 「私にもね」 それを聞き、コトハは怖くなった。
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