2

22/30

40人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
浅葱達を見送ったあと、十六夜はコトハと共に風呂場へと向かった。 「コトハ、お風呂に入りますよ」 「や!コトハ、おふりょ、きりゃい」 「でも、入ると気持ちいいでしょ?」 「きもち、いい。・・・でも、や!」 浅葱が一緒なら喜んで入るコトハは、元は猫だからか風呂嫌いだ。 「・・・キレイキレイしなきゃね?」 「コトハ、ペロペロちゅるからいーの」 「ダメです」 「やぁだ」 「ダメ」 十六夜がメッと少し怒った素振りを見せれば、コトハは手を振り払った。 「コトハ」 コトハを捕まえようとするも、素早く身を躱され「やだぁーー」と、逃げられる。最近は人型ばかりでいるコトハも、この時ばかりは猫へと変化した。 「あっ、こら」 捕まえられる気が全くしなかったけれど、十六夜はコトハを追いかけた。 予想通り、散々探しても結局見つけられず諦めた十六夜は、お腹が空けば自分から出て来るだろうと、自らの用事を先に済ませることにした。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加