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浅葱達を見送ったあと、十六夜はコトハと共に風呂場へと向かった。
「コトハ、お風呂に入りますよ」
「や!コトハ、おふりょ、きりゃい」
「でも、入ると気持ちいいでしょ?」
「きもち、いい。・・・でも、や!」
浅葱が一緒なら喜んで入るコトハは、元は猫だからか風呂嫌いだ。
「・・・キレイキレイしなきゃね?」
「コトハ、ペロペロちゅるからいーの」
「ダメです」
「やぁだ」
「ダメ」
十六夜がメッと少し怒った素振りを見せれば、コトハは手を振り払った。
「コトハ」
コトハを捕まえようとするも、素早く身を躱され「やだぁーー」と、逃げられる。最近は人型ばかりでいるコトハも、この時ばかりは猫へと変化した。
「あっ、こら」
捕まえられる気が全くしなかったけれど、十六夜はコトハを追いかけた。
予想通り、散々探しても結局見つけられず諦めた十六夜は、お腹が空けば自分から出て来るだろうと、自らの用事を先に済ませることにした。
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