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「な、なんだ?なんだ?2人して分かった顔をして、俺にも説明しろ」
浅葱と十六夜を交互に見る。浅葱が溜め息を吐き、説明を始める。
「けがいぱいは、怪我が一杯。あかいのいぱいは、赤い血が一杯。つまり、コトハは高宮に怪我に注意しろって、あの時言ったんですよ」
「へっ?」
高宮が驚いた顔をして、十六夜を見、浅葱を見、コトハを見る。
「浅葱・・・お前、先読みの力持ってたか?」
「いや、持ってないですね」
「だよな・・・じゃあ、コトハのオリジナルか」
その言い方に浅葱が苦笑する。
「そうですね」
「コトハ、スゲェなお前」
その言葉にコトハは恥ずかし気な顔をして、もじもじと体を揺らす。耳がピクピクと動き、尻尾もゆらゆらと揺れている。
「俺を心配してくれたんだよな。ありがとうな」
「たかみゃ、やちゃちい」
高宮はその言葉に感動したようにコトハを見つめた。
「たかみゃ、いい子。コトハちゅき」
若干下に見られたような口調だが、高宮はとうとう目に涙を浮かべ出す。
「そうか、好きか。俺も好きだぞ」
両手を広げ「コトハ」と呼ぶ。そんな高宮をジッと見つめた後、コトハは「や!」と拒絶の意を示した。
「へっ?」
高宮が愕然とし、浅葱と十六夜が苦笑する。コトハは、浅葱にぎゅっとしがみ付いた。
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