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「あーー主様。見つけました。でも、どうしましょう。・・・僕、物凄く威嚇されてます」 警戒レベルMax。今にも飛びかからん勢いで、目の前の男を威嚇し続ける。 「嫌われたんでしょうか」 困った顔で、寂しげに呟く言葉に目を瞬かせた。 少し甲高い声に聞き覚えがあった。ほんの少しだけ警戒を解き、男を眺めた。 対峙する男の身長は130cmくらいだろうか。形の良いアーモンド型の目の色は茶色。真っ黒な髪は肩に掛かるくらいの長さで、幾筋か赤いメッシュが入っていた。幼い面立ちは少し神経質そうにも見えるけど、向けられる瞳が優しい。 白い着物に、赤い袴。巫女のような格好をしていた。 ーー子供だ。 物言いは大人びているけれど、その姿は完全に子供だった。 子供は嫌いじゃない。ニコニコと笑顔を浮かべ、頭を撫でてくれた子もいた。抱っこしてくれたし、時には食べ物もくれた。 大人も嫌いじゃない。大人は優しくしてくれる人もいれば、冷たくあしらう人もいたけれど、叩いたり、蹴ったり酷いことはしなかったから。 1番嫌いなのは、大人でも子供でもない人間。優しい顔で招き寄せ、酷いことを散々されたから。大っ嫌いだった。 「・・・この場所ですかぁ?んーー何処だろう?・・・えーこの際、方向音痴は関係ないですよね?狭間に続く通路で、居場所を特定出来る人なんて居ませんよ」 ーー誰と話してるんだろう? キョトンと首を傾げて、その場に座った。
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