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「くそう……昨日のは確実に、オレの油断だ……!」
言い終わると同時に、口元を手の甲で拭った。
そこは……昨日、不覚にも蓮美と触れてしまった所だ。
何度も、何度も、オレは集中的にゴシゴシと拭った。
くそう……気に入らない……!
一瞬だけ触れただけなのに、なんでっ……!!
拭ったら消えてくれてもいい筈なのに、どういうわけかオレは、昨日の感触やぬくもりを覚えてしまっている。
「あーっっ!! もう、なんでだよ!!」
なんで、キライなのに蓮美の事ばっかり考えてるんだよ、オレは!!
「わー!!!」
消そうとすればするほど、頭の中で浮かんで、消えてくれない。
いつもだったら、即効で忘れるのに……。
なんで、今日に限って……。
――ピンポーン
一人で葛藤していると、玄関の呼び鈴がなったので、返事をしながらドアを開けた。
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