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他の宗教団体を潰す行為を掃除と言う。この掃除の最中に違反をする人間は必ずいて、毎回同じ処置をしていた。薬物を摂取させてなにも考えられないようにする。凶器を握らせ、体液をまき散らさせる。室内では亡骸をいたぶってもらう。最終的に人格を破壊できればいい。
規定違反者は犯罪者としてこの場に留まらせる。その間に証拠をできるだけ消し、カムフラージュして他の団員たちは逃げる。いつも通り、今回も上手くいきそうだった。
強姦をした六人の男たちは口に猿轡をされていた。泣きながらなにかを訴えているようだが、久は気にせず部屋から出る。これからどうなるかなど、もう何度も見てきた。
心のどこかで、見飽きたとさえ思った。
混合薬物を無理矢理腹につめ込まれ、何本もの注射針に身体を犯される。中には耐え切れず、即座に床に倒れこむ者もいた。
部下たちにここを任せ、久はまた別の部屋へと向かった。
向かうというのは正しくない。ただ惨状を理解するために歩き、ひと通り見てから帰る。それもまた平常運行だった。
他にも違反者がいたらしく、他のナンバーズも処置をしたらしい。
【永友の会】が全滅した頃、違反者は十五人にのぼった。
「彼らが今回の犯人か」
違反者を一つの部屋に集めた創は、吸い終わったタバコを携帯灰皿に押し込む。
「はい。九名となりますが、どの部屋に押し込むかはこちらで割り振っておきます。よろしいですか?」
と、瞭子がそう言った。
ナンバーツー、浦嶋瞭子。年齢は三十三歳でOSFの中では古参に入る。黒い髪の毛はベリーショート。瞼は一重なので少し影のある印象を持たせる。正義感が強く、化粧などを使って年齢を偽るのが得意だった。職業は創と同様にひた隠しにしている。ケンカも滅法強く、戦闘要員としての役割も担っていた。
「ああ、それでいい。それじゃあ生存者は撤退。各自散会」
各々が簡単な挨拶をし、ぞろぞろと建物から出て行った。残るのは創を含めた九人のナンバーズだけ。
「お前らももういいぞ。明日……いやもう今日か、今日も普段通りの生活を心がけろ。また次の集会の時は連絡する。ナンバーフォー、お前だけはすぐに仕事にとりかかれ」
「了解しました」
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