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少し顔色を変えて、鬼束には悟られないように「はい」と口では返事しながら、血の気が引くのを何とか堪えた。
思い当たる節を、急いで探し始めた。
いつも入れている机の引き出しには無い。
他の引き出し全てを見ても見つからなかった。
トイレやまさかそんな所には持って行かないだろうという所まで、詩織は細かく探し歩いたが結局見つけることは出来なかった。
慌てて手帳の中身を思い出す。
誰かに見られて困るようなことは書いてはいなかった。
でも、今までの積み重ねであったり、気に入っていた色をした革のカバーが口惜しく、後は業務が終わってから再び探そうと力無く自分の席に戻った所で、それはあっさりと解決した。
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