第二話 人類誕生~アダムとイブ~

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第二話 人類誕生~アダムとイブ~

ある日ゼウスは新しい遊びを思い付いた! それは土と水混ぜ合わせて捏ね、神と同じ形を造形する遊びだ。 「そういやヘルメスが前言ってたな。神や精霊以外のものを創るゲーム。 ヘラに怒られて、その前に神々のパシリの天使を創ったんだっけ」 彼は土を捏ねながら思い出す。 最高神ゼウス。 肩の下あたりまで伸ばされたグレーのストレートな髪と、 金色の目が印象的な端麗な顔立ちの美青年である。 あ!あなた方人間の皆様に予めお断りしておくが、 堂々とした体躯の威厳あるゼウスに成長する前のゼウスである。 彼が成長するまでにはまだまだ気の遠くなる年月が必要なのだ。 …土は段々と男に形成されていく… 「ヘルメスによると、美形ばかりではなく、醜いものも適当に。 才能も適当にぶっこみ、意思の力を授ける。 各自異なる個性を与えて、 各自のカルマ(課題)をクリアしたら 褒美として次生まれ変わる時はそのカルマを減らす。 完全にクリアしたらもうその個体に生まれなくて良くて。 精霊か何か別のものに生まれ変われる。 んでもって逆に課題から目を反らして怠けたり、 誰かのせいにして逃げてばかりで終わったら 課題は次の転生先に持ち越し。 かつ倍近くに課題を増やしたり」 …土は段々と女に形成されていく… 「男女で交わって子孫繁栄。不死な設定辞めちゃって、 有限の命にして時が経つのももっと短くしちゃったら、 沢山の一生も見れるし時代の移り変わりも早く見れるな♪  んで、才能や容姿に偏りが出来るけど、 それをいじけずに誰のせいにもせず、 どう受け入れて克服していくか?  どんな末路を辿るのか神々にも不明で その個体の選択の自由による、と。 そうだ! 天界の下に惑星を創って そこにコイツら住まわせる設定だったな。 俺たちはここから自由に見物できるし♪」 土は見事に一糸纏わぬ姿の男女へと形創られた。 ゼウスはその金色の瞳をキラキラ輝かせ、 「出来た!俺って天才っ!」 と自画自賛した。 …これが、 あなた方人間によく知られている「アダムとイブ」誕生の瞬間である…
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