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「あ、王子、おつかれー」
「うん、お疲れ様」
そこには身支度完了の月見が、笑顔でひらひらと手を振っている。
それがどこか優雅に見えるのだから、王子というあだ名も納得出来る……。
そうではなく。
和泉は軽く頭を振った。不思議そうに月見が首を傾げる。
「ん? どうしたの?」
「何でもない。王子も帰るんだ?」
同じ楽屋なのだから、帰るも何もわかりきったことを……と思うかもしれないが、人によっては撮影やら舞台の練習やらと『帰らない』人もいるわけで。
「帰るよー。でも、何か飲んで帰ろうかと思ってさ。どう? スタバ行かない?」
月見の提案は、まさに自分が行おうとしていたこと。
「うん、良いねぇ」
断る理由も無く、快く返事を返す。
珍しいツーショットが出来たものだ。
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