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同じグループだからというのもあるが、一応、仲間のブログは覗いている。
そこから得られる情報もあるが、何より、次に会ったときの話題に困らない。
「そりゃあ見るでしょう」
和泉は自信満々に答えた。
「それじゃあさ」
ふわりふわりとした、掴みどころの無い雰囲気を漂わせながら月見が口を開く。
「夜の十時、空を見てよ」
一瞬、妙な間が空いた。
「はい?」
「だから、夜の十時に、いっちゃんも夜空を見上げよう」
唐突なことを言われ、ぽかんと目を丸くする。
「いやいやいやいや」
我に返るや和泉が手を振った。
「あれ、ネタでしょ?」
「ネタじゃないよ。ちゃんと夜空を見て、皆と空で繋がってるんだなぁって。会えないファンの子と唯一繋がれる時間っていうか、空間っていうか持てたら良いと思わない?」
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