9.

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携帯電話を戒斗に戻した。見守っていた戒斗が乱暴に叶多の目の端を拭う。 「髪、短いのははじめて見たな」 「あたしだってはじめてだよ……あたしはまだ見てないけど」 戒斗は口を歪め、物云いたげにしながらも口を開くふうではない。 「……可愛い?」 その問いには当然答えはなかったけれど、場所もわきまえず促すように戒斗は首をひねった。 叶多もまた、形振りかまわず戒斗の脚の上にのった。 戒斗の首に腕をまわしてピタリとくっつく。 「断罪、効いた」 「これで相子だよね」 戒斗の腕が叶多を絞めつける。 戒斗の腕の中で死ねたら本望かも――それは本当。 でも戒斗、痛いほど絞めつけられるほうが死にそうにうれしいよ。 -Will be continued in the Episode final.-
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