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携帯電話を戒斗に戻した。見守っていた戒斗が乱暴に叶多の目の端を拭う。
「髪、短いのははじめて見たな」
「あたしだってはじめてだよ……あたしはまだ見てないけど」
戒斗は口を歪め、物云いたげにしながらも口を開くふうではない。
「……可愛い?」
その問いには当然答えはなかったけれど、場所もわきまえず促すように戒斗は首をひねった。
叶多もまた、形振りかまわず戒斗の脚の上にのった。
戒斗の首に腕をまわしてピタリとくっつく。
「断罪、効いた」
「これで相子だよね」
戒斗の腕が叶多を絞めつける。
戒斗の腕の中で死ねたら本望かも――それは本当。
でも戒斗、痛いほど絞めつけられるほうが死にそうにうれしいよ。
-Will be continued in the Episode final.-
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