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腹立たしくて、謝る気にもなれなかった。上着のお礼に、今夜アリエッタは、より一層手厚い奉仕をするのだろう。ちっと舌打ちして、エミリオは自室に引き篭った。
その夜、アリエッタは熱を出した。そのまま風邪を拗らせて、エミリオの冬季休暇が終わるまで、アリエッタが姿を見せることはなかった。
最初の冬季休暇こそ帰郷したものの、次の春季休暇以降、エミリオは残留組に混じり、いつも寮に残って休暇を過ごすようになった。兄は相変わらず、長期休暇のたびに帰郷していた。
家に帰るのが、なんとなく怖かった。アリエッタと顔を合わせるのが怖かった。
エミリオが戻らない間も、アリエッタは兄に何度も奉仕しているのだろう。口だけでなく、今は身体も捧げているかもしれない。
そうして一年が過ぎ、寄宿学校に入学して二度目の冬、両親からエミリオに手紙が届いた。「元気にしているか。たまには帰って来なさい」と、手紙にはそんなことが書かれていた。
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