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ひと月経って、秋も深くなってきた。
赤く黄色く色づいた葉も落ちて、木々はほとんど丸裸になっている。
あたいとカホは今日もこっそり抜け出して、飛ぶ練習をした。
やっぱり失敗したけど、
あたいはふと、思いついた。
「そうだ、トキさんトコへ行ってみようよ!」
「トキさん?」
「鳥達の長老なんだ。
何でも知ってるんだよ!
飛ぶ方法だって知ってるかもしれないよ!」
サンタの里の森の奥の奥、厳かな大きな樹のうろに、トキさんはいる。
「トキさん、こんにちは!
元気?」
「おや久しぶりだねカズ。ドジョウすくいの腕前は上がったかね。
……そっちは新入りの時告げ鳥かね?」
「うん。カホっていうんだ。
カホは空を飛びたいんだよ! どうしたらいい?」
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