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翌朝、空が白み始めると同時に、あたい達は夢から優しく揺り起こされるような声を聞いた。
はっきりと、でもどこか夢の続きのような、流れるように涼やかな音色。
「こーけこっこーーーっ」
んー? なんか気持ちいい。綺麗な声。
「こーけこっこーーーっ」
ああ、時告げ鳥、カホだ。
時告げ鳥って、こんなふうに鳴くのか。
隣で寝ていたルカが、むくりと頭をもたげた。
「あ、ルカ、おはよう」
「おはよう、カズさん」
「カズ、でいいよ。あの声はカホだよね。綺麗な声だなあ」
「そうでしょ!?
けたたましいだけの時告げじゃないの、カホの声は。
歌ってるみたいに、心地良く響くのよ!」
ルカは自分のことのように、嬉しそうに笑った。
「……でもね」
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