1 突然の出会い

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1 突然の出会い

私の学校での朝は携帯の画面から始まる。 充電を減らさないように、あまり容量が多くないゲームをやるのが日課だ。 横画面だと確実にゲームをしていることがバレてしまいガチ勢だと思われるので縦画面でプレイすることを心がけている。 そして、もう1つ私には日課がある。 それはゲームと同時進行で行っていて、はたからみたら全くわからないだろう。 そう。簡単に言ってしまえば、盗み聞き だ。 携帯の画面しか見ていないので周りの人も聞かれている人も気づかないのだ。 クラスの状況を知ることができるというのもあるのだが、会話をしている人たちだけ知っている情報を自分も知るということが楽しいからだ。 しかし、盗み聞きをしていると時々男子の笑い声が聞こえてくる。その時、自分を笑っているのではないか、馬鹿にしているのでは と盗み聞きをしておきながら自分を心配するのだ。 実際、男子はたわいもない話をしているだけなのだが。 まぁ、地味な見た目ということは自覚しているから、笑われても当然だと感じている。 ちなみに、私のクラスでのイメージは「地味」 「大人しい」「頭よさそう」だ。 このイメージは、ほぼ後ろ向きなものしかないが、その分、盗み聞きをしているという事実はバレにくいと思う。 さて、今日も日課をこなそう。 いつもどおりにカバンから携帯をだしてゲームを始めた。 それと同時に耳を後ろへ傾ける。 今日はどんな話かなぁ ワクワクしていると、突然、戸が勢いよくひらいた。 同時に女子の黄色い声が教室に響く。
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