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記されていない目録を開くように、
記憶の泡沫の真新しさが
突き始めては消えた。
一つを切り取れば、
何て他愛のないことだろう。
なのに、
彼女たちの事を思うだけで、
胸がいっぱいになる。
なにも考えることが
叶わなくなる。
覚えきれない記憶が流れ込み、
臨界を越えたように、
記憶が溢れるように、
形のないものに変わって、
涙が頬を伝っていく。
声を出そうとした。
だがそれは嗚咽の声を響かすだけで、
空気を震わすには、
足りなすぎたのだ。
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