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目の前の二人はただ瞳だけを
彼女に向けて立っている
その瞳は枯渇し、
肩を震わすだけだった。
肩を震わすだけだった
瞳からはなにも感じない
なのに、
無言によって語りかけるように
少女は初めて味わう感情を、
二人からの実感だけを、
噛み締めるようにそこにいた。
まっ更な感情を、
ただ単純な感情だけを、
溢れる言葉は、
口から出ずに、
ただ頬を湿らせて、
一時の張り裂けるような喜びに
彼女を浸らせていた。
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