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逸話の中の童
目を開ける。
白い世界がそこにはあった。
地平線の彼方はやはり真っ白で、
頭を回しても、
何一つ見えなかった。
ここはどこだろう。
そんな思いがよぎる。
そして
私は誰だろうって、
自分が分からなかった。
だけど頭のなかに、
男の人と女の人が浮かんでいた。
何故かそれだけを知っていた。
心細いと、
もう一度目を閉じ、
踞ってしまいたいと
目頭に涙が浮かぶ。
そして私は行き場のない感情を
どこかに移そうと、
探していたら自分の姿と一つを知る。
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