逸話の中の童

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逸話の中の童

目を開ける。 白い世界がそこにはあった。 地平線の彼方はやはり真っ白で、 頭を回しても、 何一つ見えなかった。 ここはどこだろう。 そんな思いがよぎる。 そして 私は誰だろうって、 自分が分からなかった。 だけど頭のなかに、 男の人と女の人が浮かんでいた。 何故かそれだけを知っていた。 心細いと、 もう一度目を閉じ、 踞ってしまいたいと 目頭に涙が浮かぶ。 そして私は行き場のない感情を どこかに移そうと、 探していたら自分の姿と一つを知る。
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