16章 帰国の渡

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「い……れて…っ…ほし」 「───…っ…」 ザイードははっきりとしたその言葉にしばし動きを止める。そしてゆっくりと片手で頭を抱えていた。 確かに薬も何も仕込んではいない筈だ── なのに一体この愛美の大胆さはなんなのだろうか── そんな言葉を愛美の口から聞かされただけでザイードの方が薬を盛られたように熱が昂っていた。 なんだか変な気分だ── ザイードは今だ頭を抱えたままだ。 そんなザイードに愛美は少し不安を浮かべ切なく顔を歪めた。 やっぱりはしたない女だと思われた── この国は、女が自分から求めるのはタブーなのかもしれない── 「ごめんなさい…っ…」 「………」 何故かか細く詫びる愛美の泣きそうな顔をザイードは見上げた。 「なぜ詫びる…──」 「だって…っ…」 「詫びる必要はない──」 ザイードは言いながら愛美の細い腰を掴む。 「待てないならすぐにくれてやる──」 「──っ…あっ…」 グッと大きな熱い塊を押し込められた感触に愛美の躰が仰け反った── 先端が滑り、圧の掛かる愛美の中に容易く飲まれ、めり込んでいく。 ザイードの逞しい陰幹に押し出され、溢れた蜜が大腿の付け根から白く丸い愛美の尻へと伝い絨毯に小さな濡れ染みを作っていた。 ザイードは苦し気な熱い息を吐きながら、唇を噛み顔を歪めた愛美を上から見つめる。
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