もう我慢できない

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「あー、金曜日だってのに。ついてねーな」 同じ部署で同期の広崎くんが今日は残業だと言っていたから、私も自分の仕事をなんとなく終わらせることが出来ずにいる。 「島ノ江はまだ終わんねえの?お前も俺と一緒だな。俺が終わりそうだったら手伝ってやるのに。ごめんな」 「私ならもう終わるから大丈夫。なんか可哀想だから広崎くんの方手伝ってあげようか?」 あの調子だと集中力も切れてそうだし、いつまでかかる事やら。 仕方ないなぁ。 悪いからって断ろうとする彼から半ば無理矢理ファイルを奪い取って作業を分担する。 ほら、二人でやると早いでしょ。 時間短縮で予定より早く帰れるんだから、感謝してよね? 「助かったよ島ノ江、サンキューな。早く終わったお礼に奢るから、飲みに行こうぜ!」 「本当?じゃあせっかくのお誘いだし、ゴチになります」 会社の近くにある居酒屋で二人だけの飲み会。 最後まで残ってたのが二人だけで良かった……。 「プハー!仕事帰りのビールって美味しいわよね。今日は広崎くんの奢りだし、飲んじゃうよー」 「おお、良い飲みっぷりだな。そうだぞ俺の奢りなんだからガンガン飲めよ」 「でもさ、ビール飲んだらすぐにトイレに行きたくなっちゃうのよね。なんでだろ?」 「トイレ?何言ってんだよ」 はっ!しまった! ついつい気が緩んで……。 広崎くんといるとリラックスしちゃって本音が出ちゃう。 ムードの欠片もないよな……はぁ。 「じゃーさ、勝負しようぜ。先にトイレに行った方の負けってことで。尿意我慢大会」
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