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どうやらあの夢までは遠い道のりのようだ。
けれど、夢が夢で終わる訳でもなさそうだということも事実になった。今はそれだけで充分ではないか。
「腹減った」
「また食うの?! さっきパスタ大盛りで食ってたじゃん」
「学生は腹減るんだよ」
妙な理屈だ。
色々なことが杞憂に終わり、気が抜けた高之は思わずヘラっと笑った。
「そういう顔見ると、昔に戻ったみたいだよな」
「え、それって馬鹿にしてる? それとも気に入ってるとこ?」
「……いいから早く行こう、車出すのに混雑する」
答えはせずに走りだした朝陽に、大人の体力馬鹿にするなと高之は追いかける。
あっと言う間に数十メートル先まで行った朝陽が振り返って叫んだ。
「牛丼食って帰るからなー!」
『Do you like movie?』END
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