陽炎に揺らぐ〈遠雷〉

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本当のところ、沙羅は自分の意志がはっきりしている性格で、思っていたより子供と恋愛をしているという感覚は無く、罪悪感も薄れてきていて自分の中の概念が緩くなったのを感じている。 触れ合っても良い関係性であるのだから、この北欧生まれの作り物のような肌に遠慮なく手のひらを這わせてみたくないわけでもない。 「ヤる話じゃ無えよ。エアコン無いと寝不足になって仕事んなんねえだろ」 先日のように実感がないままに熱中症になられては困る。 こんな熱帯夜が確実な日に。 「なーんだそうか。今日えっと、あの日だもんな」 「何だよ、生理?」 「思い出した、猛暑日だよ猛暑日!昇ってたまにデリカシーない発言するよな……」 痛いところを突かれた。 現に昨日もデリカシーの無い発言で朝陽に嫌われ掛けたのだから流石に反省するべきか。 こんな未成年にまで指摘されるとは思わなかったが。 「俺さ、パティシエ目指そうと思うんだけど、どう思う?」 食べ終わったアイスの棒をキッチンのゴミ箱に放り込み、何の前置きもなく沙羅が言った。
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