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昔、この国は貧しく作物も育たない地だった。
王は、民が苦しむのを見ていられなかった。
どうしたら、この国が豊かになるか、民が幸せになるか考えていた。
だが、自分の力でも限界がある。
王は、遂に神頼みをした。
『神よ、お願いします。この国をお救いください』
すると、王の言葉が届いたのか四人の神が現れた。
火を自在に操る朱雀。
水を自在に操る青龍。
風を自在に操る白虎。
地を自在に操る玄武。
王は、彼等を四神と呼んだ。
四神は、王の言葉通りに国を豊かにした。
作物は採れ、水は所々で湧き出た。
王は、四神に感謝した。
四神は、この国を守る為に王の従者に血を与えた。
四神の血を与えられた従者は、人とは思えない能力を手に入れた。
四神は最後に王に首飾りを渡した。
『これは?』
『それは、、、』
☆
「お父様、この続きは?途中で終わっているわ」
「ルナ、すまないね。お父さんもその続きは知らないんだ」
「そうなんだ。じゃあ、違う本を読むわ!」
しかし、いつの日か四神の存在は忘れられ、伝説として伝えられていった。
この国は、今も豊かだ。
だが、国の内政は腐敗していった。
その為、国の中心の都は豊かであるがそうでない村や町は貧しくなっていった。
その地で育った一人の少女がいた。
少女の住む町は、貧しくはないが決して裕福ではなかった。
だが、その中でも裕福な家庭だった。
そう、貴族なのだ。
母は、幼い頃に亡くし顔も知らない。
「お父様、シュンはいつ帰ってくるの?」
「シュン君かい?確か今日だった気がするよ」
「ありがとう、お父様!」
私には幼馴染がいた。
とても強くて私より6歳年上の男性。
都で将軍っていう地位にいる。
自慢の幼馴染だ。
その幼馴染が今日、町に帰って来るのだ。
「よぉ、ルナ。元気にしてたか?」
「シュン!お帰り!」
「ははっ、聞くまでもなく元気だったな」
シュンは今年で20歳になる。
私は今年で16歳になる。
シュンは、背が高くなり大人っぽくなった。
私は、成長したけど子供のままだ。
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