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俺の人生は暇つぶし
一階の応接間に大鏡があった。この世界でくすみの無い鏡は高額商品だ。農民だった俺は見る機会が無かった。十七歳にして初めて如実に自分を見た。だから今さっき俺、自分と初対面。
「えぇぇ」
両手を鏡に近づけ食いついた後、ガクッと膝が崩れて座り込む。
まじか、まじか、まじで…。
過去最高にヤバい。俺がヤバい。
衝撃の余り姿勢は土下座になった。握り拳はプルプルと震える。
床に懺悔するが如く小さく呟いた。
「俺が美少年…」
過去の転生はずっと男だった。異世界の価値観に揉まれ同性婚も普通にあった。俺も正直した事ある。回数を経て色々拘らなくなったけど。容姿に関しては、平均だった気がする。
今世のブロンドの髪は長くて自分で見えていた。目の色は親に聞いてた。成長不足も童顔なのも村の人から言われてた。でも鏡で見たのは、睫毛が多く長いくっきり二重。大きめの水色っぽい虹彩で丸みのある目。眉も嫌味無く程良い丸顔。鼻も口も丁度良い。痩せ細ってるが整っていた。
「ルースがフリ服を買ってくるわけだ…」
レオは顔をあげ改めて鏡面と向き合った。
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