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似合う。今日のロングシャツも襟と袖口がヒラフリだ。腰には網細工ベルト。ふさふさ何かの尾のファーが二個飾りで付く。動くと揺れて可愛いじゃないか。恐ろしく似合う。もう俺は完璧な肖像画王子だった。
しかも童顔と言うより、これは普通に見ためが子供だ。将来が楽しみな美人な子供だ。村で街で皆が優しかったわけだ。可愛いって言うのは身長と童顔を馬鹿にしてんだと思ってた。
脱力して、うつ伏せに崩れ落ちた。土下座美少年だ。
「この顔やばい」
可愛い。俺が可愛すぎる。ああ今までよく無事だった。今、二人の危険人物が脳裏に浮かんだ。……どうしよう。
くっそ、クソだ。これはやっぱり溺愛転生パターンなのか。前世的にいままで普通に嫁もらった恋愛結婚が三回位だったか。少ない…少なすぎる。俺に一度くらいラノベ的ハーレムは無いのか。いや待て、今は美少年なんだ。成長したら違くないか?まだ生きてるし先があるじゃないか。パターン回避すれば何とかなるんじゃないか。そうだ。俺がハーレム…ふ、ふふふ。
レオは拳で床をドンドン叩いて、土下座のまま、めくるめく妄想の世界へ旅立った。
「レオ、大丈夫か」
蹲った不思議な姿勢のレオを見た。声をかけると驚いたのかビクッと跳ねた。様子がおかしいというバルモンクの報せで応接間に来たが。
「レオ、どうした。ルース呼ぶか?」
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