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「保護に礼を言う」
有無を言わさぬ雰囲気でレオをぐいぐい引き連れて行くアンフィルは、誰もそれを止める事は出来なかった。その必要も無かった。
レオはチラリと視線をノールにやりバイバイと小さく手を振った。
ゴンッ
「長官?!」
「えっ」
ノールはテーブルに突っ伏した。
あれは駄目だ。わかった。生意気なだけじゃない。無意識に行動が可愛い小動物の様なやつだ。あれで男なのか。腹立つ生き物だな!
アンフィルの険しい目は本気で俺を殺しかねないヤバイやつだ。汽車のキスは大丈夫だったよな?何が違う。
・・・レオか。
レオが自分から何かすると嫉妬してるのか?
おいおいマジか。やり難いな!俺もやり方変えねーと、とばっちり食うぞコレ。
ノールはテーブルの上に残る食べ物ハーレムに溜息をついた。
食堂を後にしたアンフィルはレオを無言で引き連れていた。
帰るってどこに?
メルダさんの家?
帝都?
聞きたいことが沢山ある。フィルが何も言わないならそれでもいいと諦めもついて来た。側に居れたらそれでいい。執事でいれたら、それでいいんだ。
「迎え来てくれて有難う。ごめんなさい」
口に出すと簡単だ。何を言うか選ぶのが大変だと思った。
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