俺、復活の書

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少年が覚醒したのは四日目の事だった。また眠ったな。身体が動かせ無いんだろう。肩が浮く。寝返りがしたいのかと手伝って向きを変え、クッションを挟んでやる。ルースが誂え揃えた物を着せると見違えて小綺麗になった。健康であれば、さぞや秀麗な子なんだろう。 フィルは少年を見つめた。開いた目は澄んだベビーブルーだった。声も耳に心地良く感じた。 「ふ…何だ。この楽しい気分は」 こんな気分は何年振りだろう。また柔らかい声を聞きたい。俺の名を呼んで貰いたい。どんな表情を見せるのか。どんな…。 「はは、新しい玩具を貰った子供の気分だ」 フィルは首筋に残る飲みこぼした果実水を布で拭った。 朝鳥が鳴いてる。朝だ。目が開いた。よく寝た。 「この、部屋…」 俺の部屋?と、起きようとしてギョッとした。見えた腕は細い。力を込めなんとか起きてみる。全身が骨張っていた。脱力感が凄いな。腕を突っ張り何とか起坐位を保つ。腕が震えた。 この身体知ってる。髪も伸びっぱなしで汚れてたのに、サラサラと流れ顔を撫でた。身体もいい匂いがする。寝衣も高額な絹を着てるし。そしてここは広い部屋のベッドの上。もう体重を支えるのは腕が限界だった。そのまま後ろに倒れる。 ガチャン! 倒れた拍子に横にあったスツールが揺れたのか、何かが落ちた。 震える手で痩せこけた頬に手を置いた。餓死して転生したと思ったのに生きてる。 「死んで、ない…」     
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