1270人が本棚に入れています
本棚に追加
/297ページ
俺、復活の書
フワフワする。暖かいなぁ。
死んでまた転生したかな。あ。甘い。な?塩辛い。何か口に入ってる。ごくり。飲んでみた。やっぱ辛い。
これ御飯?
俺人になったかな。身体はどうだろう。声は出るかな。
「…か、ら…ぃ」
喋れた。俺は人だ。しかも赤子じゃ無い。
「ははっ辛いか。塩だ」
だ、れ?
頭撫でてるのかな。大きい大人の手?親?
「とう、さ…?」
全身が重怠いのがわかった。動けると思うけど動きたくない。目を開けろ俺。ああ眩しい。少しずつ見えてくる人の形を見続けた。
「誰が父さんだ。ほら、もう少し飲め」
次は甘い。何だろうコレ。美味しい。口に伝う水分を吸って飲んだ。
「だ、れ…?」
肩口でゆるく束ね、胸まである明るい茶髪が見えた。視線を上げると目が合う。見た目は三十位の整った顔の男だった。白いシャツは高貴な身分だったかな。
なんか満腹。またウトウトしてきた。ああ眠い。瞼が落ちてきた。
「寝たのか?」
最初のコメントを投稿しよう!