作家を語る・作家と語る。そして、作家への道

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№3  ご無沙汰しております。  お元気ですか?  あの時はごめんなさい。  本命と浮気相手。  立場は違うけれど、同じ男を愛した者同士。  お互い、あの男に騙されていたようなもの。  私は彼の浮気を知り、最初はあなたを憎んだわ。  けどね、彼があなたに対してした事を聞いた時、人間的に彼が許せなくて、一気に愛情が冷めたと同時に、あなたを救わなければって思ったの。  だってあなた。  どんなことをされても、彼から離れられなかったでしょう?  女は初めてを捧げた男に執着するもの。  あなたの一途さは、単なる彼への依存。  だから手荒な真似をしてしまったけれど、許してね。  彼以上に感じさせてくれる手も、温もりも存在することを知っておいて欲しかったんだ。  あれから風の噂で、彼と別れて私を探していると聞きました。  あなたがソッチに目覚めてしまったとしても、ごめんなさい。  その責任を取ることは出来ません。  いつか、あなたが真実の愛に出会えることを祈っております。
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