作家を語る・作家と語る。そして、作家への道

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№7  愛しき君へ  僕は今、君の顔を見れないどころか、君の香りも、君の声すらも届かない場所にいます。  貴女のことを思うだけで、胸が高鳴り。  貴女の声を思い出すだけで、血が沸き立ち。  貴女と同じ香りを嗅ぐだけで、理性を失うほどです。  こんなにも恋い焦がれ、貴女無しでは生きられないほど愛しているというのに、貴女ときたら、本当に酷い女(ひと)だ。  気まぐれで、薄情で、僕のことなど少しも愛していないくせに、僕の心を縛り付けておくだなんて。  なんて罪な女(ひと)なんだ。  いつか必ず君をこの腕に抱き。  どこにも行かないように、貴女の翼をへし折ってやります。  どんな男をも虜にする艶めかしい唇も、醜く腫れあがるほどのキスをお見舞いしてやりますよ。  いいですか?  どんなに遠くにいたって、僕は必ず貴女のもとへと戻りますからね。  逃げることなんて出来ませんからね。                           獄中から愛を込めて
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