帰郷

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あの機体はなにものだ…精鋭部隊であるシュヴァルツェ・ハーゼをここまで追い詰めるあの機体は! ロックオン波動砲による捕捉撃破を狙ってチャージを開始した時、相対していた隊長機のパイロット、ラウラ・ボーデヴィッヒは僚機を二機とも落とされて焦燥していた。 元々、シュヴァルツェ・ハーゼは軍の命令で南極での哨戒任務を行っていたが、レーダーに突如として現れた機影に不審を抱き、機影を目視出来る地点まで移動すると、そこにいたのは謎の戦闘機ことR-101。 最初こそ勧告をしようと回線を開くラウラであったが、手柄欲しさに部下の一人が暴走し、発砲。 そのあとの流れは知っての通り、(戦闘機ではありえない機動で)避けられ、レールガンで牽制され、(フォースとか言うトンデモ兵器で)僚機を落とされと、踏んだり蹴ったりである。 あの時私がいち早く気付けていれば、こんなことにはならなかった筈だ! 後悔しつつも、ラウラはレールカノンの射撃を行う。 なんだ?戦闘機に青白い光が集束して…? 気付いた時にはもう遅かった。戦闘機から迸った五つの光弾は我先にと私の機体へと殺到し、一気にシールドエネルギーを削られ、身体にも激痛が走る。 重力に従い、白銀の大地へと落ちていく私を、あの機体が見ている。やがて撃墜したと判断したのか、機首を翻してどこかへと飛んで行った。 敗北。それも完膚なきまでに叩きのめされた完全なまでの敗北。私はこの出来事を忘れないだろう。
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