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透子の父親は若くして他界している。
形として罪は償った。けれど、それで記憶までもが消える訳ではないし、苦しい日々を送っていた事は透子にも理解できていた。
その死は自らが選んだもので、周囲に与えた影響は大きい。
母もいない透子なのだから、その気持ちを包み込んでくれる場所など、もちろんなかった。
人並みであれば、泣いたり、感情を露わにもできるのであろうが、透子に欠落した『何か』というのは根が深い。
父親が何よりも大切にした、たった一人の透子への影響はただならなかった。
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