mission 1.

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「耳に、ふれてみて」 颯太の言葉の通り、透子は耳にふれ目を閉じた。 雨の音が聞こえる。 土砂降りの雨、車のエンジン音、サイレン、愛しい女性の叫ぶ声。 「どう?」 「よく、わからない」 「うん、それでいい」 透子は耳にふれていた指先をテーブルの端に置いて、颯太の表情を追う。 それを確認した颯太は彼女を腕の中にしまい込んだ。柔らかくて愛おしい彼女を。
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