【1】美しき片想い

21/30
前へ
/452ページ
次へ
それならそれですごく嬉しいけど、翔ちゃんに会うにはまだ何かが足りないような気がした。 自分には何かが足りない。 「ねえ透子、私って大人っぽい? 透子から見てどう?」 三学期の終業式。 自分にはわかり得ない事は友人に聞くのが一番だと思い、私は透子に思い切って聞いてみた。 「うーん…、難しい事聞くなー。」 「お願い!正直に言って!」 切羽詰まっていた。 翔ちゃんと4年ぶりの再会を果たす前に完璧でありたかった。 綺麗だと思われたい。 翔ちゃんに少しでも追い付いたんだと自分に自信を持ちたかった。 「大人っぽいよ。 うん、外見は申し分ないよ。」 「え、ホント?」 私は透子の言葉に舞い上がった。 「うん、でも外見だけね。だから完璧じゃない。」 「え…?」 .
/452ページ

最初のコメントを投稿しよう!

252人が本棚に入れています
本棚に追加