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それならそれですごく嬉しいけど、翔ちゃんに会うにはまだ何かが足りないような気がした。
自分には何かが足りない。
「ねえ透子、私って大人っぽい?
透子から見てどう?」
三学期の終業式。
自分にはわかり得ない事は友人に聞くのが一番だと思い、私は透子に思い切って聞いてみた。
「うーん…、難しい事聞くなー。」
「お願い!正直に言って!」
切羽詰まっていた。
翔ちゃんと4年ぶりの再会を果たす前に完璧でありたかった。
綺麗だと思われたい。
翔ちゃんに少しでも追い付いたんだと自分に自信を持ちたかった。
「大人っぽいよ。
うん、外見は申し分ないよ。」
「え、ホント?」
私は透子の言葉に舞い上がった。
「うん、でも外見だけね。だから完璧じゃない。」
「え…?」
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