【1】美しき片想い

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精神的な未熟さが露呈してしまった。 結局私はまだ大人になり切れてないって事なんだ。 ハア…、 一人しょんぼりベッドの中で落ち込んでいると、なぜか先生の落ち着き払った声に少し抑揚が付く。 「僕は好きですよ。 張り切って眠れなかった生徒も、君のように転んでしまった生徒も、それでこそ若さだとは思いませんか? 今が一番輝いている時なんですから、青春を満喫しなければ損ですよ。」 損…? そんな考えは私の中にはなかった。 今が自分にとって輝いてる時期なんだとか、青春を満喫しようだなんて全く。 私はただ翔ちゃんに早く追い付きたくて…。 「先生ってただの堅物じゃなかったんだ。 アハ、少し見直しちゃったかも。 手当ても上手かったし。」 「ハハ…、四宮さんも泣き止んだ事ですし、僕はそろそろグラウンドに戻りますね。」 「あー、またバカにして…、でもまあ、ありがとうございました…。」 「はい。じゃあ君も少ししたら来るように。」 「はーい。」 .
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